ラウドネス基準の事

DAW

「 ラウドネス基準」 聞いたことありますか?

放送局、映画、youtube、Spotify、街頭広告などなど、、、
指定された「 ラウドネス基準」に沿って、完パケ納品します。
ラウドネスとは、人が周波数帯域によって感じる音量の差を考慮した音量のことで、今ある全ての指標の中でも最も人の聴覚に近い音量を示す値です。

具体的には、音の大きさの違いによって、低域や高域の聞こえ方が実際より強く聞こえたり、弱く聞こえたりする性質を含めた「音量(感)」の平均値を数値化した基準です。
人間の聴覚は、【大きい音=良い音】と感じてしまう性質があるそうです。なので制作サイドは音量をデカくして、「他社のCMに埋もれない音、他の楽曲、作品より少しでも音を大きくする」事に注力しました。その結果TV放送では、CMになると急に音がデカくなる。といった事が昔はあったそうです。

そのような事象が起こらないように設けられたのが「 ラウドネス基準」です。
つまり、「デシベル」で規制するのではなく「 ラウドネス基準」で納品基準を定めるのが一般的になりました


👆作品を公開する媒体によってラウドネス基準は変わります
ざっと紹介すると

●日本のテレビ・放送基準  -24.0±1 LUFS
●WEB用コンテンツ: -16 ~ -12 LUFS
●映画(劇場公開用フィルム): -20 ~ -31 LUFS程度
●Youtube: -14 LUFS(規定を超えた音量は下げられる)
●Spotify: -14 LUFS(規定を超えた音量は下げられる)
PlayStation Vita -18LUFS
●某野球場のCM  -14 LUFS、-24.0どっちでもいいですよ  と言われた、、
●新宿の某街頭ビジョン -24.0±1 LUFS(規定を超えた音量は下げられる)
●音楽CD・ 基準がありません!


大雑把ではありますが、こんな感じです


ボイスサンプルはどうすれば良い?

ボイスサンプルは-14LUFS が望ましいです。
声優事務所さまのHP又は、候補出しで頂くサンプルはほぼ、-14LUFS です
事務所数名をまとめてレコーディングする時なんかは、-14LUFSで下さいと指定も多かったです。
なので、-14LUFS !
じゃあ、-14LUFS で作ればいいんでしょ!と思っても、これがなかなか難しい、、、

-14LUFSって結構音圧をあげます。 
チョットのノイズも目立ちます。だから電源、ケーブルなどノイズ対策が必要にななるのです。また、音圧をあげると、収録環境の粗が目立ちます。圧を上げると、録り音が少なからず変わります。音圧を上げると使用機材の性能差が顕著になります。
なので「-14LUFS」の音声ファイルを作るのは、それなりの編集技術が求められます。


👆話しは逸れますが、
「アイマス」のCDなんかは、楽曲→ドラマパート→楽曲 なんて構成になってますが、
ベース、ドラム、ギターがフルで鳴ってる楽曲の後に、音声だけ(しかも女性のみ)の音声。
ドラマパートは絶対、楽曲に音圧負けします。
聞き手に一々ボリューム操作させないように、涙ぐましい整音がなされてます、、、、
ちなみに楽曲のラウドネスは -5LUFS前後です、、、
女の子の声だけの音声を-5LUFS前後の楽曲の後に聞かせるんですよ!
ボイスドラマの編集はみな嫌がります

無料のラウドネスメーター

ラウドネスメーターを持ってない方、無料のコレを使ってください!

ユーリーン ラウドネスメーター2
Youlean Loudness Meter - 無料のVST、AU、AAXプラグイン
自分のPCにインストールして、いろんな楽曲、音声ファイルを研究してください!
※メーターです。音に変化を加えるものではありません

テープオーディションのボイスサンプル

前日に「明日の昼までに、頂戴ね~」とマネージャーから連絡、、、
こいつ、ぶっ飛ばしてやる、、、と拳を握りしめた経験はありますか?
そう!テープオーディションのサンプル録りには、時間をかけられません!
悠長に-14LUFS のボイスサンプル編集してる暇ありません!

なので
-16LUF~-18LUFSを目指して作れば良いのではと。
-16LUFSなら、苦労なく?作れます

👆台詞サンプルならば、「SHORT TERM」の数値が、
通常声量    -21LUFS~-16LUFS
少し大きくなる -16LUFS~-14LUFS
小さいつぶやき -24LUFS~-20LUFS
叫び      -14LUFS~-10LUFS

に数値が振れるようにすれば、何となく-16LUF~-18LUFS前後になります

👆声量差の大きい台詞は、「コンプレッサー」「EQ処理」が大事になってきます。
大きい音量を、いかにして綺麗に潰して整えるか、、 これにかかってます!
声量差の少ないナレーションは、比較的簡単に-14LUFSを狙えます
叫ぶ箇所の音処理、その時必須なのがコンプレッサーです!
コンプレッサーなしで、音圧上げはできません
コンプレッサーの使い方は、ネット上で色々説明があるので、研究してください。
ここでも後日、紹介いたします。(このブログを見てくれる方が増えたら)


👆オーディションで集まるサンプルは、プロジェクトにもよりますが
1キャラ 20名前後くらいでしょうか 
複数キャラがある場合、視聴時間に労力が必要なのがわかります。
聞き手の音量フェーダーは固定のまま。音量の小さなものは一々、止めて、フェーダーを上げて、最初に戻して聞く、、、なんてするでしょうか?

なお、ノイズまみれの録音状態の悪い音源は、大体聞かずにスルーされます。
-24LUFS以下、、、、の音源も届きます、、、ちっさ、、ってなります
つまり審査される前から、負けているのです。
同じ土俵にすら上がれなかったのです、、、、がんばりましょう
ラウドネス値 大事です

※どんなに録音状況が悪くても「芝居の上手い人」は 
「おっ、、」と耳に引っかるのですが、、、


👆ラウドネス値はもっと奥深いモノなのですがココでは、簡単に乱暴に、説明しました。
また、本来はいろいろなメータを使って音を作りこんでいきます。

サクッと簡単に「ボイスサンプルの音圧を上げる」ための解説です。
「宅録ボイスサンプルの品質向上」の解説です。
音造りのプロを目指す、ミュージシャン向けの記事ではありません。

ご了承ください


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